モザイクアーティストでもあり、クラフトマンでもある曽根研氏を迎えてのモザイクトーク。
なかなか熱くなってきました!後半戦をどうぞ。
(S:曽根研氏・T:トーヨーキッチンスタイル)
◆建築とアート
T:曽根さんは建築装飾の職人としての顔と、作家としての顔を持っていますが、そのあたりはいかがですか?
S:一般的に、建築の方面では、注文通りに作られた忠実な作品が多く、個人の発想やアイデアが生かされているケースは残念ながら少ないです。逆にアーティストの作品は、当然ですがそれがどういう環境に存在するか以上に個性が前面に押し出されているものが多いです。
T:曽根さんはその両方から考えられるわけですね。
S:でも、建築とアートの差は意識した事がありませんし、その線引きにも意味があるのかは疑問です。僕にとっては日常ですから。
T:よく取り上げられるテーマですね。全く同感です。主観的で、はっきり定義づけるのは難しいですよね。
S:私達はよく「工芸(クラフト)」か?「芸術(アート)」か?「デザイン」か?で議論されますが、置かれる環境を考えたバランス感覚が大事だと思っています。
◆住宅の中でのモザイクの可能性
T:私達の取り扱うベネチアンガラスモザイクのSICIS製品はいかがでしょう?
S:むらのある色合いや微妙なゆがみ、表面のテクスチャーが一枚づつ異なるところは、ガラスモザイクの良さが生かされて、とても良くできています。
デイジー色はガラス独特の透明感が生かされ、ところどころ透けている。
ラピスラズリも本物の粉末が入っていてマーブルのような模様が一枚づつ異なる。
T:全国各地の主要ショールームにあるSICIS専用ブースでは200種以上のバリエーションがサンプルで実物確認できます。カラフルなサンプルを見ているだけでも楽しいと、評判も上々です。
S:虹色に光るラスター色(※)が綺麗ですね。確か、銀座の「うかい亭」の装飾にも採用しました。
※ラスター色・・・玉虫色に反射する色のこと
銀座 うかい亭の室内装飾。ラスター色が使用されて輝く。
T:店舗装飾は勿論ですが、住宅におけるモザイクの可能性についてはどう思いますか?
S:住宅の中では、床、壁、バスルームやトイレ、エントランス、庭、柱、カウンター、そして家具など、思いつくだけでも活躍しそうな場所は沢山ありますね。
T:タイルって、ひと昔前は清掃性を上げる為の機能商品でしたが、今現在のガラスモザイクは装飾性の方が重視されてますよね。ジャンルが同じでも求められるものが今と昔では異なるわけです。
S:ちょっと採用するだけで随分印象は変わりますから、装飾効果はとても高いですよ!工夫すれば住み手のオリジナリティも表現可能ですし、愛着も自然と沸くでしょう!
◆今後の活動予定など
T:今後の展望や活動を教えて下さい。
S:モザイクというとヨーロッパの伝統のある重厚なイメージが強いので、それを現代的な解釈で今の時代に合った新しいモザイクを作りたいです。
T:歴史があるからこそ、それを継承するだけでなく、常識に囚われずに新しい価値観を創造する!私達のキッチンに対する考えも同じです!
S:そういう意味もあって、今は作品の創作活動への欲が強いんですが、不思議とそのアイデアは建築装飾にも生かされるものばかりです。
T:先程の境目が無いのと通じますね、とても効率的だとも言えます。
S:アイデアソースを探しに美術館や建築は勿論、インテリアショップなどを見て回るのも、とても好きです。
T:このショールームもお役に立てていれば幸いです。今日はどうも有難うございました!
S:工夫次第でまだまだ色々と活用できそうだと結構刺激を頂きましたよ、こちらこそ有難うございました!
≪主な制作≫
○:「銀座うかい亭」円形カウンターモザイク(東京都中央区)大理石・ガラス・磁器タイル使用 2003年11月設置
○:「BEAMS TIME 渋谷」床モザイク(東京都渋谷区)大理石・御影石使用 15平米 2006年3月設
置
○:「箱根ガラスの森」中庭モニュメントモザイク(神奈川県箱根町)大理石・玉石・砂利使用H.2600mm×W.2900mm×D.1000mm×2体 他に大壷・大鉢 2006年4月設置
○:「表参道うかい亭」円形カウンターモザイク(東京都渋谷区)大理石・ガラス使用 2007年10月設置
現在、岡本太郎記念館にて先日展示が始まった「湧きあがるイメージ展」が開催中。
曽根さんの工房で最近になって見つかった1956年に制作された岡本太郎の作品「青春」の原画が復刻展示されています。
期間中ギャラリートークも行われます。
岡本太郎記念館「湧きあがるイメージ展」
http://www.taro-okamoto.or.jp/exhibition.html
投稿者 meuble : 21:18 | コメント (0) | トラックバック(0)
ベネチアンガラスモザイク「SICIS」のブースオープンに伴って、
プロとしてご活躍中のモザイクアーティストの曽根研さんにお話を聞いてみました。
はたして!プロが語るモザイクの魅力とは?!
◆プロが語るモザイクの魅力
トーヨーキッチン&リビング(以下:T):こんにちは!先日の青山で行われた個展以来ですね。なかなか盛況でしたね。
曽根研氏(以下:S):初めての個展でしたが、おかげさまで色々な方に来ていただけました。
クレアーレ青山で発表された作品のひとつ「蓮」
T:モザイクも一般的になってきたという事でしょうか?
S:日本ではまだまだですが、実はモザイク自体は町中のいたるところにあるんですよ。学校や駅、ホテル、公園など。
T:そういえばそうですね。
S:でも、残念ながらモザイクの良さがちゃんと生かされたものは少ないんです。
T:じゃあまずは、モザイクの魅力とは何か?あたりから聞かせて下さい。
S:モザイク独自の魅力は大きく分けて、「材質感」「ピースの色の相互作用」「目地の流れ」「光の反射」「耐久性」、この五つがあると思います。
T:なるほど。「材質感」は言葉の通りですね。モザイクにはガラスをはじめ、大理石、石、磁器、など色々使われますからね。
S:そうです。題材や空間によって色だけじゃなく素材も使い分けたりします。
T:色の相互作用というのは?
S:モザイクはひとつひとつのピースの集合体です。遠くから見ると一色に見える色もひとつひとつ違う色が隣り合わせになって表現されています。
例えば青も一色ではなく様々な色がちりばめられている。
T:本当だ、ここのブルーには赤やカッパーが混ざっていますね。絵画で言う点描画に近い感じです。じゃあ「目地の流れ」は筆使いというところでしょうか?
S:近いですね。格子状のグリッドだけではなく、形を表現したり、躍動感を出したりを目地の流れで表現するわけです。
TKS TOKYO展示のSICIS MOSAIC。腕の筋肉の躍動感が目地の流れで表現されている。
T:これは私達の取り扱う「SICIS」でも作例が数多く紹介されています。ピクセル的に使うだけでは出せないタッチですね。
S:「光の反射」は表面の角度が不均一な事で、規則的ではなくランダムに光を反射する面白さです。
T:スワロフスキークリスタルを扱ったときにも同じでした。目線が動くと角度によって変わる光の反射は綺麗です。
虹色に輝くDaisy。ガラスの美しさが際立つ。
S:モザイクはヨーロッパの宗教画に多く用いられました。フレスコ画も多用されましたが、モザイクは絵画を長く維持する為に用いられました。これが最後の「耐久性」です。
T:石膏に顔料で描かれていたものに比べれば、多少の剥落はあっても、長く残るわけですね。
S:建築の一部として提供する場合は、これらの要素の中から強弱をつけてその場所にあったものを作ります。
◆制作の醍醐味
T:作品を見ていると、ピースが多くて、とても大変そうなんですが、最も苦労するのはどこですか?
S:最も大変なのは短時間で効率よく作業する事が重視される日本の建築工程のなかで、なかなか時間も予算も手間も掛けられないところです。理想は現場で空間と見比べながら、じっくりと製作し、その空間にとってきちんと役割を果たせるように作りたいんです。
T:では逆にやりがいや充足感を感じるのはどこでしょう?
S:タイルや石をひとつひとつ割ったり、貼ったりしていくところです。
T:えっ!?それが最も大変そうに見えますが。
S:無心でひとつひとつにエネルギーを込めて貼るので、自分では絵画などよりも完成した時の塊感はぎゅっと込められている感じがします。
T:かなり精神的ですね。
S:ヨーロッパの一部の地域では今でも500年維持する事を前提に素材が選ばれます。
T:スクラップ&ビルドの日本だとなかなか難しいですね。
S:それがこれからの時代に合わなくなっている気がするんです。良いもの、本物をを長く使う事のほうが、時代にフィットするのではないかと。
T:建築、インテリア、家具、など全てに同じ事が言えますよね。勿論キッチンにも。
S:木目調、石目調、大理石調、などのフェイクは経年変化で古くなった良さは出せません。
T:フェイクと本物に囲まれて暮らすのとを比較すると、メンタルな面で大きな差があるのかもしれませんね。
・・・後編へと続く。
後半戦では住宅におけるモザイクに迫ります!お楽しみに。
≪略歴≫
曽根 研(そね けん)
1969年 岐阜県多治見市生まれ
1996年 有限会社ミスズアート・スタジオ(1956年設立)入社
1999年 有限会社ミスズアート・スタジオ 代表取締役に就任
2005年 愛知万博市民プロジェクト海上広場床モザイクワークショップ開催・現場設置参加(モザイク会議主催)
2007年 モザイクビエンナーレ2007 アートフォーラムあざみ野(横浜市)(モザイク会議主催)
2008年 モザイク展~立体による オリエギャラリー(東京都港区) (モザイク会議主催)
2008年 第1回タグボート・アワード クレアーレ賞 クレアーレ青山アートフォーラム(東京都港区)
2009年 曽根研 もざいく展 クレアーレ青山アートフォーラム(東京都港区)
大理石・ガラス・磁器タイル等を使用したモザイク画を制作。
学校・文化施設・街路・公園等の公共施設から、店舗・住宅・オフィス等の民間施設まで、全国の様々な建築物の壁面・床面・立体物等、あらゆる箇所に設置するモザイク作品のデザイン・制作・設置を行っている。
モザイク会議会員
現在、岡本太郎記念館にて先日展示が始まった「湧きあがるイメージ展」が開催中。
曽根さんの工房で最近になって見つかった1956年に制作された岡本太郎の作品「青春」の原画が復刻展示されています。
期間中ギャラリートークも行われます。
岡本太郎記念館「湧きあがるイメージ展」
http://www.taro-okamoto.or.jp/exhibition.html
投稿者 meuble : 12:57 | コメント (0) | トラックバック(0)
既に色々なところで話題になっているので、ご存知の方も多いと思いますが、
お台場に実物大のガンダムが製作されました。
(実物は"ない"が正解?)
「ガンダム大地に立つ!!」というより「建つ」ですね。
アニメ放送30周年を記念して製作された18メートルのガンダム。
果たして使命は?というと下記オフィシャルから抜粋。
同プロジェクトは、都市の緑化推進及び公園の活性化、各種の文化発信を図ることを目的にしております。同立像を通じて、”緑あふれる都市東京の再生”と、2016年のオリンピックをその環境都市・東京で開催する”緑のオリンピック”の実現へ向けたメッセージを子供から大人まで幅広い世代へ発信していきます。(一部略)
なんと、壮大な!
地球環境だけでなく、オリンピックの東京招致までも。
現在の左肩にある所属を示す(!?)「WB」の文字も、
8月には2016の水引をモチーフにした東京五輪マークに。
(より高いリアリティを求める方はお早めに!)
都民と企業と行政までもが一体となった、とっても真面目なプロジェクト!
そのために文字通り立ち上がったガンダムというわけです。
日本のアニメ、キャラクター文化は世界から見ても、とても注目を浴びています。
ジャパンカルチャー、サブカルチャー、ジャパニメーション・・・。
ハリウッドの映画だって影響を受けている作品は少なく無いのはご承知通りです。
フィギュアだって海外のオークション市場で、アート並みの価格が付いたという現実もあります。
TOYO KITCHEN STYLE TOKYOのエントランスそばにも、
実物大とまではいきませんが、いつも写メの対象となっている、人物大のザクが一体います。
「なんでザクなんですか?」と、疑問をお持ちのお客様も多いようです。
「キッチンに住む」お話になりますが、高額な絵画を飾るハイカルチャーなインテリアがあるなら、
コレクションしているフィギュアが飾ってあるストリートカルチャーや、リアルインテリアがあっても良い。
インテリアは住む人によって創られ、その人の個性が自然に表現されるべき、というのが私達の考え方。
住み手の顔が見えるインテリアこそ、居心地の良い空間なのではないだろうか。
これが答えのひとつだったりします。
二階への階段吹き抜けにはSICISモザイクのコミックモチーフのモザイク画、
そして2F奥にはステンレス製のベアブリック1000%、
現在はSICISブースにメカゴジラのフルアクションのラジコンが
それぞれサブカルチャーの象徴としてスパイスを加えています。
と、論理的にお話していたりしますが、
一度見たら忘れない印象を残すというのが、もうひとつの狙いである事は内緒です。
投稿者 meuble : 16:00 | コメント (0) | トラックバック(0)



